(7)定置網 (袋網、アンカー、ロープ、水深30m)
(6)魚類増殖場計画域の海底状況

(5)沈船 (水深40m)

(4)海藻増殖施設 (海藻バンク、水深10m以浅)
(8)防波堤 (スリットケーソン、周辺域水深30m)
(3)マダイ増殖施設 (広域型増殖場、水深10m)
(2)前図の一部拡大図
(1) 2m角型魚礁 (水深35m)

<サイドスキャンソナー画像>
 一般に、海底面の状況を調査する方法には、潜水や水中ロボットのように直接的に観察する方法と、魚探やソナーのように間接的に計測する方法などがありますが、皆様もご存知のとおり、対象範囲が広い場合にはなかなか思い通りの成果が得られません。急速な観測技術の進展に伴い、捕捉対象は点から線へ、線から面へ、面から立体へと変化してきており、近年の測量技術では3次元画像(鳥瞰図)の作成も容易になりつつあります。しかしながら、こうした測量技術の目指すものは海底地形、すなわち水深を詳細に把握することであって、底質が岩なのか砂あるいは泥なのかといった判別までカバーしてはいません。海底面の性状を知りたい場合にはやはり採泥や潜水などにより別途確認する必要があります。つまり、土木工事の出来高確認などには適していても、水産分野で最も基本的かつ重視すべき「海底面の性状把握」には、依然として多くの課題があります。  デジタル技術の急速な進歩により、性能の高いサイドスキャンソナー機種では、可視画像とほぼ同等な音響画像を得ることができ、船上においてリアルタイムに海底面の性状が確認できます。長崎支所では、昨年度より最新式のデジタル・サイドスキャンソナー(米国KLEIN社製System3000)を利用し、魚礁、増殖場、藻場、養殖場、定置網漁場、防波堤などで海底調査を行ってきました。さらに記録画像は前に紹介した海洋版GISを用いてデータベース化し、屋内・屋外(ノートパソコンに組込んでの船上利用)を問わずいつでも閲覧でき、位置誘導システム(GPS連動)としても作動できるよう機能強化を図っております。これは、従来の海洋調査の方法論を一新する可能性を秘めており、新しい時代の到来を感じさせるものです。「担当:漁場開発部(桑本)」