●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2017.2月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
2月になりました。長崎ではこの月の海水温が一年中で最も低くなります。また、強い北西風が吹くので、海が大時化になりがちです。

 さて、元旦から穏やかな日和が続くと安心していましたら、長崎は1月23日に大雪となりました。こんな中、沖縄県の伊平屋島に行って来ました。目的はセンターが実施する漁港管理者コンシェルジュについての説明です。「ホテルにコンシェルジュが居るのは判るけど、センターにもいるの?」と疑問に感じられた方が多いと思います。その通りです。この業務は昨年末に始まったばかりです。中身を簡単に申しますと、ホテルのコンシェルジュが宿泊するお客様の様々な要望を聞き取って応える様に、会員市町村が行う(行おうとする)水産基盤整備事業についての要望や疑問について、個別に聞き取ってお応えする業務です。


































 上の図は説明用リーフレットの一部です。少し専門的な言葉も入っていますが、「技術者不足で業務が回らない」、「ストマネの診断、計画策定に時間が取れない」、「漁港の積算で分からないところがある」、「漁場整備を検討したい」、「現場監督の人手が不足している」等々の課題に対応するために、会員市町村毎に1名のコンシェルジュ(担当職員)が配置されることになりました。因みに、私の担当は伊平屋村となりました。
 右の図では私どもセンターの宇賀神理事長が「皆さまのよろず相談所としてお役に立ちたいと存じますので、お気軽にご相談下さい。」と挨拶しています。
 当日は以上の様なことを説明し、村が実施している事業や計画についてお話を伺ったのですが、仕事が終わった後はフェリーが出るまで、何時ものように島の中を歩いてきました。
 下はその時に撮った写真です。1枚目は庭に咲いていたハイビスカス。長崎でも路地で咲きますが、流石にこの時期は無理です。そして2枚目は長崎では見ることが出来ない珊瑚の砂浜。出張ではありましたが、たっぷりと南国沖縄を感じさせていただきました。






































 私どもセンターは、水産基盤整備事業に関係する皆さまのお役に立つことを目的としております。特に、会員皆さまのご要望には出来うる限り対応して参りたいと考えておりますので、何かございましたら何なりとご相談くださいますよう、お願いいたします。
 今回の〆は、出航したフェリーから撮った伊平屋島です。伊平屋村に暮らす皆さまの幸せと、水産業の発展をお祈りさせていただきます。




















平成29年2月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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カルガモ
オシドリ

●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2017.1月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、明けましておめでとうございます。
 皆さま、輝かしい新年をお迎えになられたこととお喜び申し上げます。支所は、本年も1月4日に仕事を始めさせていただきました。小職は遊びすぎて疲れ気味でしたが、年末年始にリフレッシュした職員から、やる気モードを注入してもらっています。

 今年は正月三が日とも穏やかな天気でしたので、何時もの様にカメラを担いで川原大池に出向いていました。そこで、今年も飛び上がるほどの良い仕事が出来ますようにとの願いを込め、飛翔する鳥の写真でスタートさせていただきます。




















 先ずはカルガモです。この時期、長崎の水辺で良く見かけます。人懐っこく、岸辺に上がって餌を啄ばむこともあるのですが、何かに驚くと一斉に飛び上がります。また、東京では、街中のビルから皇居のお堀まで、親子の引越しする姿が春の風物詩になっています。ところが、川原大池では雛を見かけませんので、身近ですが、まだまだ知らないことが多い鳥です。
 次は、県の鳥オシドリです。毎年秋に、沢山のオシドリが北から帰ってきてくれます。先ほどのカルガモより警戒心が強く、昼間は木立の中に隠れてしまうのですが、何かの折に集団で飛び立つことがあります。

 自由気ままに飛んでいるように見える鳥達ですが、飛ぶにはそれなりの訳があるようです。鳥に聞けば、「餌を食べるため、敵から逃げるため、連れ合いを探すために飛んでいるのであって、勝手気ままに暮らしているんじゃない」、と叱られそうです。海に目を転じましても、魚も自由に泳ぎまわっている訳ではなさそうです。昨年は魚の来遊が何時もと違っていました。マグロの豊漁はありましたが、スルメイカは記録的な不漁でしたし、その他の魚も余り獲れなかったと聞いております。獲り過ぎるから魚が居なくなる、との話を良く聞くのですが、不漁の原因はそれだけでは無いと感じています。
 全世界的な環境の変化については、これまでにもご紹介させていただきました。また、環境変化への対応のために水産基盤整備事業が重要であることについても、考えを示させていただいているところです。
 長崎支所は皆さま方のお陰をもちまして、本年度も漁港や漁場に関係する仕事をさせていただいております。また、昨年は今まで取り組んで来なかった分野にもお声掛けをいただきました。改めまして、関係する皆さま方にお礼を申し上げます。
 弊センターの目的は、「漁港、漁場等の水産土木工事に関する技術的研究並びに施工監理技術者の養成等を行い、漁港、漁場等の整備事業の適正な実施に寄与し、もって水産業の発展に資する」ことです。今後とも、「水産業の発展に資する」ため、努力を続けて参りますので、何かございましたら気軽にお声掛け下さいますよう、お願いいたします。  

 平成29年最初の「支所長だより」は、正月3日、早朝の為石漁港の写真で〆させていただきます。5日の初市に向け、後暫くすれば浜が水揚げで活気付くと信じてシャッターを切りました。

































平成29年1月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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ツワブキ
ダルマギク



踊り場に向かう上町の皆さん
しゃぎり
庭見世(太鼓山)
庭見世(衣装)
赤とんぼ(ネキトンボ?)
ハグロトンボ
試験礁の作成風景
 タイワンウチワヤンマ
ベニトンボ
        王子蓮
     ミセス・スローカム
         ハナショウブ
     大村公園の花菖蒲祭り
         ヒトツバタコ
         ハナミズキ

●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.4月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。

平成28年度が始まりました。支所では、昨年度も例年と変わらない量の業務を受注することができました。ご委託下さった、また、ご相談・お話をいただきました皆さまに感謝を申し上げます。

3月と4月は別れと出会いの季節です。お世話になっている県や市町等においても沢山の方が異動されています。転出された方々の新天地でのご活躍をお祈りいたしますとともに、新しく担当になられた方々の一層のご指導をお願いいたします。
目を外に転じましても、別れと出会いの光景が繰り広げられています。春の到来とともに、水辺で遊んでいた水鳥たちが北に帰り始めました。私がよく行く長崎市の川原大池でも800羽程度いたオシドリがだんだんと少なくなり、残っている鳥たちも騒がしく飛び回るようになっています。そしてやって来てくれたのは春の花々です。野や山では様々な花が美しさを競い合っていますが、私にとってこの時期の主役は桜です。住まいがある団地の桜も開花し、小鳥たちがやって来るようになりました。


















別れは辛いですが、新たな出会いを喜びながら、本年度も仕事に励みます。

さて、私ども長崎支所の最大の任務は、国や県、市町村等が実施される水産土木事業が目的とされる成果を上げ、関係する皆さまにその成果を実感していただけるよう努めることだと考えております。そのために、現状に満足することなく、これからもチャレンジする心を忘れずに日々研鑽を重ねて参りますので、本年度もこれまで以上にご活用くださいますよう、お願いいたします。

年度初めは大漁旗で飾られた餅撒き船で〆させていただきます。これは、3月20日に開催された樺島灯台ウォーキングのイベントとして開催されたものです。ウォーキングに参加した方、そして樺島集落の方々が岸壁一杯に集まっておられます。私は対岸からの見物でしたが、隣にいた漁師さんの「これが本当の新船祝いなら、どれだけ嬉しいか……。」の言葉が忘れられません。水産資源が増え新船建造で浜が活気付くよう、私どもも頑張らなければとの思いを強くいたしました。






























平成28年4月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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過去の「長崎支所長たより」はこちらから 

 2010.10〜2015.3
 2015.4〜2016.3





               新船祝いを再現した餅撒きイベント


       川原大池のオシドリ

       桜に止まるヒヨドリ

●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.5月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。

5月になりました。今年は2日と6日を休んで10日間の長期休暇を楽しまれている方もいらっしゃると思います。英気を養うためのリフレッシュは非常に重要ですが、第一次産業に休みはありません。そこでこの両日、私どもも出張は遠慮させてもらっていますが、何かあれば対応できるよう、担当職員が事務所に出ております。


















さて、支所では事業内容の説明等のため、4月に県内各地を訪問させていただきました。忙しい中時間を割いて私どもの話をお聞きくださいました皆さまにお礼を申し上げます。
この間外勤が多くなりましたので、季節の移り変わりを体感することができました。職場の近くにある水辺の森公園でもハナミズキからヒトツバタコに花が交代いたしました。今、公園で咲いているヒトツバタコは数日で花期が終わってしまいそうですが、連休期間中、対馬の鰐浦では3,000本のヒトツバタコを愛でるお祭りが開催されていると思います。これだけの群生地は他に無いとのことですので、ご訪問をお勧めいたします。

話は代わりますが、今回の出張では現場で働く皆さまのお話を聞くことも出来ました。やはり魚が少ないとの話が多かったのですが、価格の向上により、ある程度の収入は確保できている様子が伺えました。これからの漁業は今ある水産資源を守りながら、消費者に適正な価格で買っていただく工夫が必要だと再認識させていただきました。資源を守る為には価格低下に繋がるような無理な漁獲を控えることが重要ですが、魚介類を増やすための藻場礁や増殖場の整備も重要だと考えています。また、コストをかけずに漁獲するためには魚が集まる魚礁を沿岸に設置することも重要です。

私どもは県や市町、また漁業者の方々が実施されるそれらの事業が今まで以上に効率的に実施できるよう、これからもお手伝いさせていただきたいと考えております。このため、今後とも新しい技術の導入に努めるとともに、全ての職員が目的に向かって研鑽を重ねて参りますので、これまで以上にご活用くださいますよう、お願いいたします。

さて、今回は長崎市の清流「神浦川」の河川公園に飾られていた鯉のぼりで〆させていただきます。
大きな丸太に掛けられた竹竿に鯉のぼりを泳がせる方法は長崎独自のもので珍しいものだそうです。
この鯉のぼりのように、長崎の海で沢山の魚が元気に泳ぎ浜に活気が溢れますように。




















平成28年5月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久



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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.6月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
長崎の6月は雨の朝で幕を開けました。今年は5月の半ばから気温の変動が大きく、降ったり照ったりの日が続いております。ただ、草花にとってはこの気候が合っているようで、長崎市内で開催されている「ながさきアジサイまつり」では様々なセイヨウアジサイが、大村市で開催されている「花菖蒲まつり」では色とりどりの花菖蒲が来る人を楽しませています。海に目を転じましても、5月末に水辺の森公園の運河でミズクラゲの発生が見られており、本格的な夏を迎える準備が着々と進んでいるようです。





















さて、5月25日に、センターの理事会があり、本年度の総会提出議案等が決定しました。総会開催日時は6月22日(水)の午後2時からで、1時間程度を予定しております。場所は東京都港区赤坂の三会堂ビルの9階です。また、例年同様、総会終了後に同じ会場で講演会を行います。
本講演会につきましては、この3年間、私が企画を担当しておりまして、相当、思い入れがあります。
皆さまご承知のとおり、この20年ばかり、長崎県の漁業者から景気の良い話を聞くことがありませんでした。外国漁船との漁場競合や過剰漁獲による資源の減少、また燃油価格の高止まりや魚価の低迷などに漁業関係者の影響があるのは理解しておりますし、それには様々な対応が取られてきました。しかし、漁獲の減少がこれだけ長期に及んでいるのは獲り過ぎだけが原因だろうか、海そのものが変わってしまって魚が棲み難く、増え難くなってはいないだろうかと、疑問に思っていました。
そこで一昨年は、全地球的な環境の変化を勉強するため、茨城大学工学部の横木裕宗教授をお招きし、「地球温暖化がわが国の沿岸域に及ぼす影響」について、ご講演をいただきました。そして昨年は、沿岸域の環境変化について、長崎大学水産学部の中田英昭教授をお招きし、「今、わが国沿岸で何が起こっているのか〜沿岸環境管理のこれからの課題〜」をご講演いただきました。
これらのご講演により、海洋環境は全世界的にもわが国沿岸域でも変化しており、海の生産性が低下していることを知りました。
そこで、今回の講演会では、本シリーズの締めくくりとして、変化し生産性が落ちた海を「豊かな海」に再生するにはどうすれば良いのかを知ることを大きな目標にしております。講師には環境水理学や沿岸環境学の専門家であり、生態系の保全や修復についての研究を精力的に行っておられる、横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院の中村由行教授をお招きいたします。
東京での開催となりますが、概要はリーフレットのとおりです。興味をおもちいただいている皆さま方のご聴講をお待ちしております。
























































平成28年6月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.7月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
長崎の6月は雨ばかりでした。インターネットのgoo天気で検索しますと、晴れマークが少しでも付いたのが8日、雨マークが14日、その他の8日間は曇りですので、心理的には雨のち曇りだらけの6月といったところです。ただ、この気候にも草木は美しい花を付け、私どもを慰めてくれていました。私も雨の合間を縫って諫早市の唐比ハス園に2度出かけました。写真を撮っていて面白かったのはハスにも男女の見立てがあることで、薄ピンクのにはミセス・スローカム、白いのには王子連の名前が付いていました。ミセスは女性、王子は男性のイメージから名付けられたと思うのですが、下の写真で違いを感じていただけますでしょうか?














さて、6月22日には、センターの総会および講演会を東京で開催させていただきました。総会では提出した議案の全てをご承認いただきました。講演会では中村由行教授のご講演を熱心に聴講いただきました。ご参加くださいました皆さま、また、お力添えくださいました皆さまに感謝を申し上げます。
そして、その翌週は島根県と鳥取県に出張させていただきました。境港等の現場を回る仕事だったのですが、松江市に着いた翌朝の散歩で賣布神社に出会いました。この神社は出雲国神仏霊場の一つであり、ご神徳は「海の潮の働きと地上の樹木の働きがあいまって海河山野の幸がもたらされる」ことだそうです。そして、神社の名前「賣布(めふ)」とは「海藻や草木が豊かに生えること」を意味しています。私どもが良く使う「山は海の恋人」や「里山・里海」にピッタリで、「磯焼け対策」にご利益がありそうに思いました。
そこで、僭越ではございますが、このコラムをお読みいただいている皆さま方を代表してお参りをさせていただきました。
写真は正面から神社を拝観させていただいたところです。皆さまにも良き事がありますように。





















平成28年7月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
おしらせです。

公益社団法人全国漁港漁場協会と全国漁港海岸防災協会が主催する「2016漁港漁場漁村海岸写真コンクール」の応募受付が始まっています。
私ども水産土木建設技術センターも協賛させていただいております。写真好きの皆さま、海や水産業に関心がある皆さま、奮ってご応募下さい。









































































































平成28年7月13日
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.8月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
8月になりました。今年の梅雨は、夏休み前の7月18日に明けました。昨年の7月29日より10日以上、平年よりも1日早い梅雨明けです。そして、晴れた途端に暑い夏がやって来ました。気温は連日30℃を超えています。ラニーニャ現象が起こると猛暑になると言われていますが、今年も例外にはならないようです。 写真の方は、冬の鳥、春の花が終わり、夏には虫を撮ることが多くなっています。人と違ってトンボは暑さに強いようで、強い日差しにも負けず、水面や野原をスイスイと飛び回っています。そんな中からの2枚を紹介させていただきます。




















先ずは色鮮やかなベニトンボです。夏アカネや秋アカネよりも鮮やかな赤色をしています。羽にまで赤色が入っているのが特徴です。「随分と赤いアカトンボが居るなぁ」と思って写真を撮ったのですが、パソコンで拡大して、何時見ているものと違うことに気がつきました。
次はタイワンウチワヤンマです。ヤンマは憧れのトンボで、子供の頃はオニヤンマやギンヤンマを持っていると一目置かれたものです。このヤンマは名前にタイワンと付いているように南方系のものですが、近年、生息範囲が広がっているとのことです。また、縄張りが有り、強いオスが高い杭などに止まって周りを見張っているのですが、この時は、他のオスがチョッカイを出しにきたところを撮影しました。

ところで、海の中でも温暖化が進み、棲んでいる魚や海藻の種類が代わってきています。昔のままの豊かな海を守ることができれば良いのですが、地球規模の変化に抗うことは難しく、与えられた環境の中で、ベストではなくてもベターな選択をしなければならないことも多々あります。実際、長崎県内でも、昔のようなアラメやカジメが繁茂する海に戻すことが難しくなった海域では、南方系のホンダワラなどを増やそうとする取り組みも始められています。昔を懐かしむだけではなく、水産業を守るためには現実的な新しい対応も必要と考え、私どもも県や市町、また漁業関係の皆さまが行う、このような仕事のお手伝いをさせていただこうと、努力を続けております。

また、民間企業でも海藻の育成や魚介類の増殖に向けて、どの様な施設が良いのかを検討されています。先月もある企業が行っている試験礁の作成を見せていただきました。 試験が成功し、長崎の海がより一層、豊かになりますように!

































平成28年8月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.9月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
9月になりました。暑い暑い8月も月末には最高気温が30℃を超えなくなり、少しは過ごし易くなったと思っていましたら、9月初めに台風12号が襲来しました。小型であったとはいえスピードが遅く、長時間雨風にさらされた地域もあったことと思います。台風準備や後片付け、ご苦労様でした。そして、被害に合われた皆さまには、心よりお見舞いを申し上げます。
しかし、「禍福は糾える縄の如し」と申します。海がかき回されると、環境が良くなり、大漁になることも多いそうです。今回の台風も、後で福をもたらしてくれる様、願っております。

さて、今回は夏の終わりに現れたトンボを紹介させてください。

















まずは赤とんぼ。夏の間は真っ赤なショウジョウトンボやベニトンボが飛んでいたのですが、彼らの姿が見えなくなったと思ったらこのトンボが現れました。ネキトンボだと思うのですが、間違っているかも知れません。2枚目はハグロトンボです。これも少し涼しくなった水辺に現れ、季節の移り変わりを感じさせてくれました。
前に、私は極楽トンボと書いたような気もするのですが、私以外のトンボは「勝ち虫」。目的に向かって一直線に進む縁起の良い生き物とされています。私どもも水産業の振興という目的に向け、驀地(まっしぐら)に進みたいと思います。

そして今月は8月21日に漁が解禁されたイセエビで〆させていただきます。イセエビも底うねりが無いと網に掛からないそうです。 今回の台風が漁師さん達に大漁をもたらします様に!!






























平成28年9月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.10月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
 10月になりました。長崎の10月といえば「おくんち」。国の重要無形民族文化財に指定されている、長崎市の諏訪神社の祭礼が今月の7〜9日に開催されます。9月に長崎近傍を襲った台風12、13、16号に続き、10月の18号が本県離島部に大きな爪あとを残しましたが、お祭りの間だけは襲撃を遠慮してくれるようです。とは言いながら、台風の被害に遭われた皆さま、心からのお見舞いを申し上げます。
 ところで、私ごとになりますが、本年の「おくんち」では上町の「コッコデショ」のお手伝いをさせていただいております。長崎人以外には聞き慣れない「コッコデショ」ですが、江戸時代長崎に輸入された貿易品の輸送に堺(大阪)の船が利用されたことから、堺地方の段尻が長崎に伝えられ、「おくんち」に奉納されるようになったとのことです。

 そこで、本番の奉納を前にして行われた3日の庭見世(にわみせ)、4日の人数揃い(にいぞろい)の様子を紹介させていただきます。
 先ずは庭見世、奉納に使う道具や衣装などを、お祝いの品とともに見ていただくイベントです。




















 1枚目は衣装です、横には太鼓山のミニチュアも見えますが、水産人としては、お祝い品の魚の数々にもご注目いただきたいと思います。縁起の良い高級魚、タイやイセエビ、キンメダイ、ブリにカマス、そして当然の様にアワビやサザエが並んでいます。全て新鮮、中でもイセエビが動いていたのには驚きました。そして忘れてならないのが蒲鉾、見事な板付けです。長崎は水産物の漁獲も蒲鉾の消費も全国第2位なんです。1位でないのが残念ですが、海が近いので漁獲物、水産加工品とも味はピカ一です。
 2枚目はコッコデショの主役、太鼓山です。この上に4人の子供を乗せて練り歩き、投げ上げます。1tを超える山を投げ上げる担ぎ手も立派なら、どんな事があってもバチを乱さない子供達も立派です。氷のマダイも太鼓山をうっとりと見つめていました。

 そして今月の〆は、人数揃えで空に舞った太鼓山です。 「おくんち」の間だけは仕事を忘れて、祭りを堪能させていただきます。 
 長崎の祭りは粋ですよ。時間を見つけてお越し下さい。


























平成28年10月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.11月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
 11月になりました。本年は1月の降雪、6月の長雨、7〜8月の猛暑、9月の台風襲来と天候不順が続き、漁業関係の皆さまも随分とご苦労されたことと思います。秋以降は天候と海況に恵まれ、豊漁が続くことを期待しております。

 長崎では「おくんち」が終わると秋がやってくると言われております。豊かな秋を迎えたいとの純粋な気持ちだけでは無かったのですが、私も、10月7〜9日に「おくんち」で奉納される「上町コッコデショ」のカメラを担当させていただきました。前回お伝えしましたとおり、「コッコデショ」は江戸時代長崎に輸入された貿易品の上方への輸送を担っていた堺(大阪)地方の段尻が長崎に伝えられたものです。本来は踊り町の方々により運営されるものですが、今回は地域外の住人にも関わらず、私の参加をご許可いただきました。上町の皆さまに感謝しております。
 さて、「おくんち」の3日間、長崎は「しゃぎり」の音で目覚めます。1枚目の写真は、早朝、関係者が集まる前に町内を回る、しゃぎり衆の方々です。この後、町内役員さんへの演奏が行われ、いよいよ奉納踊りに出発です。上町から踊り場に向かう皆さんの姿を2枚目の写真に示しました。先頭は傘鉾です。棟梁の先導のもと、100kg以上の重さがある傘鉾を5名の方が交替で持って歩きます。写真の後方には「上町コッコデショ」の太鼓山も見えています。役員さん達は、紋付、羽織、袴に白足袋、白緒の草履、頭に山高帽の正装をされています。


















 本来ならば、ここで奉納踊りの勇姿をお伝えしなければならないところですが、色々な所で色々な方が発表されていますので、ここでは省きます。私のFace book (FB)にも写真を数枚アップしておりますので、よろしければFBのArakawa Toshihisaを検索してみてください。

 祭り期間中は、すっかり「くんち馬鹿」になっていたのですが、祭りが終わった今は、気持ちを仕事モードに切り替えて、頑張っています。
 今年度の上半期は夏の高水温もあり、海藻は随分とダメージを受けているようですが、クロマグロ養殖の種苗となるヨコワ漁が久しぶりに良かった等の好影響も出ています。第一次産業はその成果が気候・天候に大きく左右されます。その中で悪い影響を最小限に留め、良い影響を最大限利用するのが水産業界で暮らす我々の知恵の出しどころだと考えています。
 今月の〆は、諏訪神社で舞ったコッコデショです。 演者の元気と町の団結力をいただき、私ども支所の役職員も一致団結して、水産業で生活する皆さまのお手伝いに精一杯努力して参りますので、何かございましたらお声がけくださいますよう、よろしくお願いいたします。






















平成28年11月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2016.12月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、何時もありがとうございます。
 12月になりました。今年の年末は比較的穏やかとのことです。お天道様には勝てない水産業界の者といたしまして、予報どおりの気象・海象になってくれることを祈っております。
 海が穏やかで大漁・豊漁となりますように。

 私事ですが、11月には久しぶりにプライベートで壱岐を一周してまいりました。仕事では厳しい側面を見ることも多いのですが、観光客として訪れた壱岐は、温泉、食べ物、人情、砂浜などなど、魅力に溢れた「夢の浮島」でした。以前に比べると少なくなっていると言いながら漁船団の力強さは健在ですし、海の美しさも変わっておりませんでした。
 そんな中から、先ずは勝本の断崖に咲いていたダルマギクを紹介させていただきます。撮影したのはイルカパークの手前、天ヶ原海水浴場の近くです。この場所は海が北東に開けており、風向きによっては波しぶきを浴びるのですが、それにも負けずに根を下ろし、青紫の花を咲かせてくれていました。
 次に紹介させていただきますのは長崎市内の川原大池に咲くツワブキです。冬を迎えて他の花が終わろうとするこの時期に、鮮やかな黄色の花を咲かせてくれていました。


















 この様に秋・冬に咲く花があるとは言いながらも、これらかの季節、陸上では草木の勢いが衰えます。しかし、海の中では海水温の低下に従って生き物の活動が活発になり、有明海ではノリの初摘みが終わり、新ワカメもすくすくと育っています。また、全国的には不漁と言われながらも長崎近海でのスルメイカ漁はこれからが本番ですし、年末には寒ブリが島に押し寄せてくれます。年が明ければヒラメのシーズンが始まりますし、春には彼岸ブリや桜ダイの大漁も期待できます。

 まだまだ1ヶ月ありますが、今年のコラムはこれが最後になります。この1年大漁された皆さまはその勢いがこれからも続きますように、また、これまで漁に恵まれなかった皆さまは季節変わりに漁模様が上向きますように、心からお祈りを申し上げます。

 皆さまが良き年を迎えられますよう、長崎に帰ってきてくれたオシドリが未来に向かって飛び立つ写真で〆させていただきます。
 この一年、本コラムにお付き合い下さいまして、ありがとうございました。






























平成28年12月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久

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●長崎支所長だより「長崎支所長:荒川」
2017.3月版

一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所のホームページをご覧の皆さま、いつもありがとうございます。
 3月になりました。今年は1月下旬と2月下旬に雪が降りました。かと思うと、2月には最高気温が20℃近い日もあり、何とも安定しない天候に、仕事のスケジュールも狂いっぱなしです。海に目を転じましても、スルメイカは凶作と呼べる位の不漁ですし、逆にブリは漁が有り過ぎて値崩れを起こしている有様。海の中も何時もと違う状態になっているようです。3月には海況が安定し、ヒラメやマダイなどの価格の高い魚たちが、安定して漁獲されることを願っております。

 今月は長崎半島でよく見られる鳥を3羽紹介させて下さい。1羽目はホオジロ。尻尾の長いスズメが居る、と思ったらこの鳥のことが多いです。「一筆啓上仕り候(イッピツケイジョウ ツカマツリソウロウ)」と鳴く鳥と言えば、思い出していただけるかと思います。私は、頬が黒いのに何故ホオジロ、と今でも思っています。
 2羽目はジョウビタキです。スズメより少し小さいのですが、羽色が派手なのと、人をあまり恐れないので、この季節に近くで見ることが多い鳥です。「キッ、キッ」「カッ、カッ」と火打石を叩くように鳴くことから「火焚き」の名前が付けられたといいます。

ジョウビタキ
ホオジロ

















 この2羽の棲み家は山野ですが、今年は水鳥の来遊が少なかったです。特に、昨年800羽入った川原大池のオシドリは、今年度は200羽程度しか来てくれませんでした。水鳥は韓国で猛威を振るっている鳥インフルエンザの影響を受け易いと聞いています。また、鳥も魚も野生動物という範疇では同じ仲間で、地球温暖化などの環境変化の影響を直接受けます。無事どこかで過ごしてくれていれば良いのだが、と祈っております。


 近年問題になっている地球温暖化等により、気候変動の幅が大きくなっています。そのため、夏の台風や冬の低気圧も大型化していますが、私どもは、人間の知恵と技術でその影響を小さくしなければならないと考えています。
 長崎支所では職員一同、環境が多少変化しても、水産業界で働く方々が安全に安心して生活できるよう努めて参りたい、と考えております。海の環境や水産土木工事関係について、気がかりな事がございましたら、遠慮なくお声掛け下さい。皆さま方と一緒になって、対応を検討させていただきます。


 今回は、長崎半島で暮らしているミサゴで〆させていただきます。英語ではOsprey(オスプレイ)と呼ばれていますが、魚を狩って暮らしている魚鷹(うおたか)で、魚の町、長崎に似合いの猛禽類です。我々のためにも彼らのためにも、魚が増えますように…。
































平成29年3月
一般社団法人 水産土木建設技術センター 長崎支所長 荒川 敏久
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上空から魚を狙っているミサゴ