*種糸設置・・・基質にアラメ類やガラモの種糸を直接巻きつけることにより、藻場の造成を図る。
*母藻設置・・・磯焼け帯に母藻となるアラメ類やガラモを設置することにより、種苗の定着を図る。
自然石に母藻が着生したネトロンパイプを設置(昭和60年頃)
自然石上に母藻が着生した試験礁を設置(昭和60年頃)
試験礁上に取替えのできる母藻が着生したプレートを設置(平成17年)
自然石上に母藻が着生したブロックを設置(昭和60年頃)
4ヶ月後(昭和60年頃)
天然域に種糸のついたブロックを設置(昭和60年頃)
1年後(平成18年)
異形ブロックに種糸を巻きつけた金網を設置(平成17年)

<藻場造成試験>
 近年、「磯焼け」とよばれるアラメ場やガラモ場といった藻場が消失する現象が日本各地の沿岸部において起こっています。磯焼けが起きてしまうと海藻を餌とするアワビやウニ、稚魚の成育場がなくなってしまうため、漁業に深刻な被害をもたらしてしまいます。主な要因を次に示します。
 
 1.植食性魚類(アイゴ、ブダイ、イスズミなど)やウニ類(ガンガゼやラッパウニなど)、植食性巻貝類(ウラウズガイなど)などによる食害。
 2.海流の変化(海藻の種苗が運ばれなくなったりする)。
 3.沿岸域の環境変化による水質環境の悪化や濁りにより、海藻の生育環境の悪化。
 4. 台風などによる天災。
  上記に掲げた以外にも様々な要因が指摘され、いくつもの要因が重なることにより起きていると考えられています。
 
 当支所がある長崎県での磯焼けの主な要因は、上記に掲げたアイゴやイスズミなどの植食性魚類やガンガゼなどのウニ類、オオコシダカガンガラなどの植食性巻貝類による食害という説が定着しつつあります。ここでは長崎県における藻場を回復するための様々な取り組みの一部を紹介します。「担当:漁場開発部(橋本)」