<海洋のゴミ>
 海に潜ると色々な生物に出会います。最近では、映画で一躍有名になったクマノミの仲間やツバメウオ、ハリセンボンなどの暖海性魚類も長崎の沿岸で結構見かけるようになりました。反面、数年前まで繁茂していたアラメ類やホンダワラ類などの大型海藻類が一夏で消失することもあり、長崎県沿岸域の温暖化を海の生物の変遷で感じる今日この頃です。
 潜っていると、このような生物と併せて目につくのが海底に散在する多種の海洋ゴミです。一番多いのはやはり飲み物の空缶やペットボトル、ビン類で、海岸近くの海底ではミナ(小型巻貝)の数よりはるかに多い所もあります。このほかに、弁当のプラスチック容器、長靴、手袋、帽子、タイヤ等の生活用品や釣り客が残していった撒き餌袋が海底付近を漂っているのもよく見かけます。また、漁船に装備していた漁業機材や養殖生簀の鉄枠、船用のバッテリー等もたまに目にしますが、海を生活の糧としている漁業者の中にもこのような投棄行為をしている方がいるのは非常に残念なことです。
 このコーナーでは、潜水作業中に目についた多種の海洋ゴミの写真を掲載しています。海は我々人間の食料を供給する場として、また憩いの場として欠かすことのできないものです。けっして処分に困ったものを投棄するゴミ捨て場ではありません。『健全な海を未来に残したい!』これが私たちの願いです。「担当:漁場開発部(峯)」